3Dプリンタを作ってみました。

自作3Dプリンタ(機構部は完全オリジナル)や、DIY記事

3Dプリンターの基本2(熱溶融)

3Dプリンター(熱溶融式:今後は省略します)の基本として大事なところは以下の3点です。

 

制御的

1.フィラメントを溶かす。

2.溶けたフィラメントを積層する。

3.3Dデータのコントロール

 

ハード的

1.フィラメントの押し出し機構(エクストルーダ)

2.3軸ロボット機構

3.制御基板

 

ぶっちゃけフィラメントはある程度やわらかくて、押したらにゅるにゅる~と出て

積層しても崩れない材料だったらなんでもできるんです。

3Dデータから、3Dプリンターに加工データを送ると、溶けた材料が制御コードにしたがって、積層するだけなんです。

なので、ケーキのクリームだとか、セメントだとかを使っても押し出す量を一定にできればそれでもいいわけです。

 

3Dデータをウェハースのように何層もスライスしたデータを作り、XY軸がそのデータにそって動き、Z軸で高さ方向を変化させ、エクストルーダで速度にあわせて、押し出していくだけなんです。

 

難しいのはソフトウェアなんです。

 

でも幸いにしてreprapプロジェクトというイギリスの偉い先生が作ってくれたもののおかげで、3Dデータを輪切りにして、さらに3Dプリンター用の制御コードに変換してくれるプログラム(スライサーと呼ばれるソフト)や、その制御コードにそって、3Dプリンターを動かすプログラム(Marlinなど)が無料で手に入ります。

そして、制御ボードもarduinoというこれもオープンソースマイコンボードを使う事で

簡単にできてしまいます。

 

主な使用部品は以下になります。(自作機仕様)

 

1.ステッピングモータ4軸(X軸、Y軸、Z軸、エクストルーダ)

2.制御ボード(arduino、ramps基板、モータードライバー基板(4個))

3.12V電源

4.エクストルーダ(材料押し出し部)

5.ホットエンド(フェラメントを溶かすところ)

6.ホットエンドノズル(溶けたフィラメントが出てくるところ)

  0.3mm、0.4mmがポピュラー いろいろある

7.アルミフレーム(骨格と、スライド機構兼用)

8.ベアリング

(アルミフレームと組み合わせてスライド機構に利用)

(プーリの代用、Z軸の垂直調整に利用)

9.タイミングベルト(ステッピングモータの回転をXY軸動作に変える)

10.全ネジ(ステッピングモータの回転を垂直動作に変える)

11.カップリング(ステッピングモータと、全ネジをつなぐ)

12.ベース板(造形物が乗る場所)

13.フレーム接続部品(アルミフレームの補助部品や、ないものは

3Dプリンター初号機で製作)

 

以上の部品のなかで、大きく値段の差があるのが、モーター、電源、

エクストルーダー、ホットエンド、スライド機構です。

 

私は秋月の700円の品物を使っていますので、4個で2800円です。

ですが一般的に、3Dプリンター用として売られているものは2000~4000円もします。(調べれば大きな違いはありませんよ)

 

重要なのはスライド機構とZ軸機構です。

1層ずつ積み重ねていきますから、Z軸に対して水平が出ていなければ、左右で高さ

が違ってきますし、垂直が出ていなければ、できあがりが斜めになってしまいます。

 

そこで、市販品ではリニアレールや、リニアブッシュなど精度の出る部品を使っているのですが、これが高価でリニアレールなどを使えば、1軸で1万円とかするので、4軸使えば軸のみで4万となってしまいます。

 

アルミフレームは安いですが、ねじれや、たわみに強く、面精度もそれなりにあります

ので、3Dプリンターレベルでの精度であればまったく問題ないと考えます。

また、枠にもアルミを使うことで、取り付け位置を調整でき、直行度を調整しやすくしました。

 

電源は12Vで30Aほどの容量が必要(容量が少ないと、モーター作動時にホットエンドの温度が下がったり、モーターを動かす電力が足りないなどの不具合がでます)

なのですが、これもピンきりで高いものでは数万円~2000円くらいの幅があります。

ネットで探すといろいろ見つかりますが、安いものは出力は問題なくてもファンの

音がうるさかったりします。 

 

自作機のプリンターで自慢が出来るところとすれば、直行度、垂直度、水平度の精度

が要求される部分を簡単に調整できるという事です。 しっかり調整できれば、必ず満足できる造形物が出来上がります。

 

初号機は、中古のリニアシャフトと、アルミ板で製作しましたが、とにかくXY軸さえ

しっかりできればなんでもいいんです。

あとは、モーターが何回転したら、何ミリ動くんだよとか、最大移動量だとか、基本的なパラメータを書き換えてあげるだけなんです。

 

この設計を応用すると、1m×1m×1mなんてサイズも5万円くらいでできる計算なのですが、置き場所と、お金がないので作っていません。

精度も心配ですが、このサイズだとノズル系3mmとかじゃないと時間がかかってしょうがないでしょうから、そう考えると全然問題ない気がしますけどね。